小ネタ⑥
注意事項
本作は「館長」さんの「創作天文台」にて掲載中の「魔法少年ロジカルなのは」のパロディ(三次創作)です。
館長さんや原作者様から、怒られたら……多分、すぐに更地になります。
本作は「魔法少年ロジカルなのは6-4」からの強制分岐です。
なお、桃子さんが理不尽なまでに最強で、プレシアさんは原作、及びロジカルとは逆方向に壊れております。
以上の事に注意して、納得した上で読んで下さると嬉しいです。
小ネタ⑥
雪やこんこん 霰やこんこん
降っては 降っては ずんずん積もる
山も野原も 綿帽子かぶり
枯れ木残らず 花が咲く
アタシはここに来て初めて教えて貰ったばかりのお気に入りで、ピッカピカな歌を小躍りしながら上機嫌に歌う機嫌良く跳ねる。 それは一面の銀世界。
季節は一月。 新たな年を迎えたばかりで、山の木々も空の色さえも まだまだ寂しい自然の風景。 だけど、年末から年を超えて降り続いた粉雪は そんな寂しさを覆い尽くして一面を神秘的な白さで包み込んでしまう。
この『雪』というものを アタシは知らない。
生まれて初めて見る その綺麗な光景に魅入られ、全身に吹き付ける冬の寒さも忘れて居候中である高町家の庭を駆け回る。
内心手狭…… それでもこの世界における一般家庭の平均を超える広さだけど、そんな不満さえあっさりと吹き飛ばす。
フェイトの家…… 正確には あのババァの…… いや違、その母親所有の庭園や親友である アリサ、すずかの住む豪邸に見合うような敷地に比べれば全然小さ…… 家庭的な庭だけど、今の アタシの躍動し続ける心には何も関係ないことだ。
シャッ シャッ シャッ
サクサクと四肢を呑み込んでいく冷たい感触が興奮に火照った心と身体に心地よい。
踏み込むたびに四肢が真っ白いキャンパスに彩りを加えていく。 その積もったばかりの新雪を踏みしめる音が、その感触がなんとも堪らない。
説明しようのない楽しさを抑えきれずに顔が綻んでいるのを自覚し先程からノリノリな鼻歌が止まることはない。
雪やこんこん 霰やこんこん
降っても降っても まだ降りやまぬ
犬(アタシ)は喜び 庭駆けまわり
ユーノが…… 棺で固くなる?
……あれ?
最後、ちょっと違ってるかい?
重箱の片隅に某シスコン提督の発動させたエターナルコフィンでカチコチになった変態イタチもどきが脳裏に浮かんだりしたけどさ…… それはきっと遠くない未来の予知夢に違いないと思えて仕方がないね。
まあ良いかッ! アタシにはあんまし関係ない話だしね
特に あの淫獣の協力(強制)によって得られた情報が、あの聖夜に起こった『闇の書』問題を解決した今となっては害悪だけが残って敷き詰められたような存在で……
『必要ない』と即断で切り捨てる。
無限書庫から得られた情報だけには感謝してるけどさ……
そんな淫獣のことよりも 今は
「アルフ…… ど、どうかな?」
極一般的で家庭的な庭を持つ日本家屋。 それまでビシッと締め切られ外と同じ真っ白なカーテンまで引かれていた窓が少しだけ開き、そこから アタシを呼ぶ声が聞こえてくる。
小さくて照れたような、でも嬉しさと喜びがこぼれ落ちそうな女の子の声を アタシの聴力がはっきりと聞き取る。
間違えるはずがない。 よく聞き慣れた この声の主は当然 アタシの主、フェイトのモノだ。
振り返る
「へぇ……」
驚き、そのまま魅了され呆然としてしまう。
見つめる視線が一点に集ったまま その動きを止める。
それはほんのわずかな瞬間。 アタシの心全てを釘付けにする フェイトの晴れ着姿。
今日この日、これから出かける初詣のために整えられた それは、冷たい冬を越え訪れる春を想像させる若草色を基調とし、その新緑にひっそりと、でも確実に その存在を主張するようにあしらわれるのは桃色に煌めく桜の花びら。
慣れない格好に加えて緊張に頬を赤く染める その様子に、いつもと違う フェイトを見いだして思わずジロジロと見つめてしまう。
「へ、変じゃない……かな?」
窓を挟んだ庭と部屋。 その境界を超えるように伝わってくる フェイトの声と表情に不安の色が浮かぶ
アタシの使い魔としてリンクする回線からも不安の感情が伝わってくる
そこでようやく アタシは何も言葉に変えていないことに気付く
伝えることさえ忘れ、大切な気持ちを言葉にしていないことに思い至る
はッ!? 不味いよ! フェイトが不安に感じてる!? ついつい見とれてたよッ!!
「似合ってる! 全然変なんかじゃないよ!! その格好……ハレギ? キモノ? フェイトに とっても似合ってるよ!!」
「……本当?」
必死の弁明……
けれど フェイトの表情は晴れてくれない
どうも自分の格好にいまいち自信が持てないみたいだね?
不味い…… 美辞麗句ってやつがとんと出てこないよ…… 悲しいくらいに語呂が乏しい
アタシはこういったのは苦手だよぅ
「そうだよ!! アリサ達…… いや、シグナム、シャマルにも負けないくらい大人っぽい美人さ!!」
「そ、そぅかな?」
ほっぺをほんのり桜色に染まり フェイトの機嫌が良くなるのが分かる
もう、ちょっと自棄っぱち
でも そんなの関係ねぇッ
きっと十年後には あの二人に負けないくらい、ぐらまーな美人になるさ!
プレシアの遺伝子継いでるからスタイルは問題無し!!
だけど性格だけは遺伝してない……よね?
「そうだよ!! これなら絶対 なのはだって……」
そこでハタと気付く
それと同時に言葉が詰まる
「……あれ、なのはは?
たしか、プレシアのやつが その晴れ着をクリスマスプレゼントとして フェイトのとお揃いで贈ってきてたんだよね?」
「なのはは……」
アタシは唐突に脳裏に走った疑念に縋り、ちょいと気まずい場の雰囲気を濁しにかかる
ふぅ…… どうやら それは功をそうしたみたいだね
フェイトは形容しがたい視線を部屋の奥へと向け、ここから回想シーンへと入っていく
『お母さん、これって女の子用だよ…… 間違っているんだよね?』
『な、なんで…… なんでそんなにも素敵な笑顔のまま無言なの? ねぇ…… お母さん?』
『……なのは?
この晴れ着はね。 フェイトちゃんのお母さん、プレシアが この国の『初詣』という行事を知って(調べて)わざわざ贈ってきてくれたモノなのよ』
『わ、分かってるけど…… これどう見ても女の子モノだし……
ほら、きっと何かの手違い? で…… だから『問題無いわよん』……お母さん』
『この着物にはね…… プレシアの暖かい真心が篭もっているの』
『『真心』って……真っ直ぐな気持ち? 本音か本心?
そこにどんな『気持ち』が篭もっているのか小一時間くらいは話し合いたい気持ちだけど……』
『誰かから受けた恩を仇で返しては駄目……
人の優しさを一方的に否定するような人になっては駄目……
思いやりに泥を掛けるようなことをしては駄目……
なのはなら分かっているわよね?』
ギリギリギリギリ
『わ、分かってる(砕ける)! 分かってる(砕ける)からッ!! そんなに強く肩を抱きしめないでよ!!』
『あら ごめんなさい』
『ふぅ…… これ、痣になってるかも『つまり、この場合は着ることこそが最大の感謝!! 最高の返礼!!』……はにゃ?』
『フェイトちゃん共々……既に撮影会の準備は万端よ』
『へ、へぇ……』
『さて、なのはの理解も得られたところで…… お着替えタイムね!』
『あぅ 私に選択権が無いことだけは理解出来たよ……』
「……っていうことがあったんだ」
軽い溜息と共に言葉を吐き出し フェイトが二人のやり取りを締めくくる。
以上、回想終わり
「なんか アタシ……」
清流のような清々しい何かが胸を満たしていく
「今まで なのはに騙されたこととか、ボコボコに殴り飛ばされたことを含めて、過去のいざこいの全てが、優しい気持ちで許せるような気がするよ」
ソファーでぐったりと伸びているだろう なのは(晴れ着着用済み)が用意に想像出来て憐れみ…… いや、かなり寛容な心がグリグリと迫り上がってくる
胸の支えが清々しく…… いや、かつてのいざかいで芽生えたドス黒く、でっかい憎しみは跡形もなく絶え、今の アタシの心は湖面の如く静かで穏やかだ
「なのはは最近の母さんのお気に入りだから……」
ああ、それは同意だね
でも、そのおかげで フェイトへの(過度な)愛情表現が半分位になったのは本当にありがたいけどさ
「それを言うなら フェイトに対しても相当なモンだったと思うけど……
まあ、なのはや 桃子のおかげで アタシ達の被害が減ったのだけは真実だからねぇ」
うん、なのはの母親、『桃子さん』という親友……ここでは信念を共にする同士?を得、なのはと、そして未来に誕生する(ことを熱望している)であろう孫達へと、プレシアの愛情パワーが分散してくれたおかげでどれだけ助かっていることか……
まったく、感謝してもしきれない位だよ
もっとも、愛情の対象が増えたことで元からあった愛情パワーが増大しつつあるのは末恐ろしいけど……
それでも プレシアの身体は一つだけだからッ!!
一人にしておくと何かえげつないこととか計画しそうだしさッ!!
怒濤の如くこみ上げてくる憤りを、無力さゆえに変えられない理不尽に対し、その想いのまま青空に向かいワォワォと吠える アタシ
フェイトの不思議そうな視線をひしひしと背中に感じ取るがどうしてもやめられないんだ
虚空に向かってワォワォ吠え続ける アタシと それをオロオロと見つめる フェイト
なんだか硬直しつつある事態
だけど それは一人の住人によって容易に崩れることになるんだ
「あッ フェイトちゃん、着物に着替えたんだ~」
それは若い女性の声
なのは違うよ?
桃子さんは そこまで若くは…… いや、なんでもないなんでもない。 命は大事な宝物!
「美由希さん?」
そう、高町家の長女
いつもの眼鏡に フェイト、なのはと似たようなキモノ……というかその格好が巷で噂の巫女さんってやつかい?
そういえば年末年始は知り合いのお手伝いをするって言ってたっけ?
「わッ かわぁいいぃぃーーーッ!!」
キュッ キュキュゥゥゥゥーーーーッ
「み、みゆきさん…… あの、そのぅ……」
それは形容しがたい効果音を放つ熱烈で熱烈な抱擁
フェイトが目を白黒させながら アタシに『どうしよう?』の視線を向けてくるけど……
ごめん、アタシには無理だよ?
「ほっぺもすべすべ…… 髪の毛もふわふわで気もちぃ」
「えと、そんなことは…… それに、それは着物の感想じゃないような……」
これってスキンシップ……だよねぇ?
恍惚の表情で頬ずりする 美由希の目が少しばかり充血して血走っているように見えるのは気のせい……だよね?
「はっはっは まったく! 俺の未来の娘は可愛いな!!」
えぇ……と
高町家長女に続き、高町パパ登場?
いや、腰に両手を当てて無駄にふんぞり返えられても……
この親父、フェイトが晴れ着に着替えている間はずっと外へと閉め出されて道場にいたはずなのに、しかも着替えが終わったのも伝えられていないはずなのに、いったい何時の間に戻ってきたんだろ?
「し、士郎さん……」
「ほら、フェイトちゃん。 士郎とーさんも似合っているって」
「はぅ……」
(悪意はないんだろうけど……
完全におもちゃにされてるよ)
抱きしめる 美由希が 士郎パパの言葉に乗り、ニッコリと微笑む。
そのダブル攻撃に フェイトが頬を真っ赤に染め、身体全体で『照れる』という言葉を表現する。
フェイトって『父親』の記憶が無いから、こういう展開にあんまり免疫がないんだよねぇ…… まあ、慣れだと思うけどさ。
「フェイトちゃん! なんなら今から『お義父さん』と呼ぶ練習をしてくれても構わないよ!
……女の子なら 桃子が翠屋の後継者候補に、男の子なら俺が未来のプロサッカー選手に……」
「士郎とーさん…… 後半から妄想がダダ漏れだよ?
……でも、私も 美由希お義姉ちゃんって呼ばれたいかも」
浸ってる 浸ってるよ……
この父娘、どっぷりと妄想に浸っている
そしてSOS信号(念話)受信
《アルフ…… どうしよう?》
《どうしよったって…… これはもう、一種の病気かい?》
《私…… 士郎義父さん、美由希義姉さんって呼んだ方が良いのかな?》
《フェイトが そう呼んでも、呼ばなくても現状は変わらないと思うけどねぇ……
むしろ悪化?》
《そ、そんな…… じゃあ 私、どうしたら……》
現在進行形で 美由希に抱きしめ続けられる フェイトからのSOSに助けるというよりも宥める方向で念話を続ける
このある意味 プレシアに通じる瞳の輝き……
怖すぎる。 やり過ごすのが吉だよ?
……って思ってたんだけどね
犬(狼?)生はままならないモノだよ
「だが、恭也には忍ちゃんが居て、なのはにも フェイトちゃん達が居るとなると……
ははッ 美由希は我が家で唯一人、いき遅れ状態だな!!」
ピキリ
無理でした
この親父は……
『ガッハッハ』と豪快な笑いと共に 士郎の口から言葉が発された瞬間、ある場所……はっきり言えば一人の女性を中心に空気が凍り付き その場の雰囲気が一転する
この親父、火に油を注ぐような真似を…… お願いだから、もっと空気読んでおくれよ
たいがい とばっちり食うのは高町家でヒエラルキー最下層の アタシらなんだから……(ユーノ君はもっと下)
「い、いき遅れ…… そんな…… 私だけ? 私、まだ十代半ばなのに? まだまだ若いはずなのに?」
「しかも、恭也と忍ちゃんとの関係から、俺がお爺ちゃんになるのもすぐだろうな!!」
ブチッ
や、やばい…… やばいよ!? お願いだから、いい加減に空気を読んどくれよ!!
何かが壊滅的に破壊され、倒壊したような音が聞こえたような気がする。 これは破滅へのカウントダウンが既に始まっている!?
「孫…… お爺ちゃん?
なら 私は…… お、おばちゃん? その上、いき遅れのおばちゃん!?」
「み、美由希……さん?」
来るべき未来予測の結果、部屋の隅っこでどんよりと丸くなってノノ字を書き始める 美由希と その哀愁漂う煤けた背中に、どう声を掛けて良いのか分からずに右に左に 士郎、美由希を交互に見渡す フェイト
美由希、この後も神社で友達の手伝いをするっていってたけど……
『どうせ 私は年末年始も彼氏と過ごすわけでもなく……お手伝いだもん』
呪詛の如くブツブツと呟いてる。 ……こんなどんよりとした空気を漂わせる巫女さんのいる神社って嫌だなぁ。
《アルフ…… 私、何か悪いことしたのかな?》
《いや…… 今のは自爆?》
うん、フェイトが気にする必要なんて全くないよ?
《……どうしよう?》
《どうするって…… こればっかりは美由希が乗り越えるしかないんじゃないのかい》
無責任と言う事なかれ…… 余計な色恋沙汰に首を突っ込んでいたら命が幾つ合っても足りないことを既に学習済みなのさ!
「クス…… クスクスクスクス クフフフフフ」
「「美由希(さん)?」」
あ……?
ついに許容範囲ぶち抜き、壊れて……?
「いいもん…… いいもん……
いざとなったら恭ちゃん……は、やっぱりちょっと以上に忍さんが恐ろしいから……
いざとなれば なのはに…… なのはに貰って貰うから…… 従兄弟同士の結婚はおーk『駄目ですッ!!』」
おわッ!?
その音量に アタシの身体が大きく揺れる。 びっくらこいたよッ!!
さらには使い魔としてのリンクを通して物凄く激しい感情の奔流がぁーーーッ!?
そのあまりの激しさに、アタシは思わず小さく身を縮め全身を守るように強張らせる
「駄目です……
いくら、いくら 美由希さんでも…… それだけは、それだけは駄目です!!」
「いや…… あの フェイトちゃん?
じょ、冗談なんだから…… 出来れば、目にめい一杯涙溜めたまま切実に迫らないで欲しい、かな?」
両手が白くなる程ギュッと強く握りしめて迫る フェイトの迫力を真正面から受けて、流石に 美由希も気圧され後ずさる
フェイトは なのはに本気だから この反応も当然なんだろうねぇ
なんかちょっとばかりもの寂しい気分が残るけど、フェイトが幸せで笑ってて、なのはも自分の大切な人達は何が何でも護るヤツだから……
アタシが我慢しなくちゃいけないんだよね?
「グス……
本当……ですか?」
「うんうん! 本当本当!!
なのはは 私の弟だからね!! フェイトちゃんも、私を『お義姉ちゃん』って呼んでよ!!」
鬱+愚痴モードを脱した 美由希が、フェイトを必死に それもちょっとだけ涙目で宥めている
良かった。 なんとか丸く納まりそうな感じになってきた。 一安心かな?
「はっはっは!!
美由希はフォローに必死だな」
……でも無かった
はぁ……
お願いだから少しは場の雰囲気ってヤツを読んどくれよ、この親父は……
とりあえず、臑…… 弁慶の泣き所って場所に本気で噛み付いとく? ついでに大型獣化しとく?
「あら、士郎さん?
フェイトちゃんを泣かすようなことをしてるのに…… なんだか楽しそうね?」
右と左……
やっぱり両方?
どちらに噛み付こうかと悩む アタシの直上から あるお方の声が降りかかる!?
こ、この声はーーーッ!?
「も、桃子ーーーッ!?」
上擦り掠れる 士郎の半泣きっぽい声
アタシは即座に爆心地(予定)から全力で離れソファーの下へと避難する
呼吸が上手く出来ず息苦しい。 四肢がガクガクと震えて止まらない。 尻尾なんて小さく丸まり最初から平伏状態だよ
プレシアとタメ張れる存在の 桃子に逆らう…… いや、この場で意見することさえ考えられない
たとえヘタレと蔑まれても構わないよ。 なんせ ヴィータのギガントシュラーク並みの一撃をカートリッジの補助無しで連発出来るような大魔王と命のやり取りする程 アタシはバトルクレイジーじゃないから!
「……少し頭冷やそうか?」
「遺伝するのか その台詞!?」
「って!? かーさん 私も標的!?」
まだ少し涙ぐむ フェイトを優しく胸に抱いて その頭をナデナデする 桃子さんの姿は絵になってるけど……
高町父とか高町長女とか、他の二人に掛ける声が怖すぎ
高町家最強の称号は伊達じゃないね!! さっきから震えが止まらないよ、ほんとにさッ!!
まぁ、このままだと余波で アタシの心臓まで停止しそうだし、ここは フェイト経由でまとめてもらうのが一番平和的解決かなぁ?
とりあえず念話を……
《なぁ フェイト。
美由希もタチの悪い冗談だって反省してるみたいだし、そんなに感情的にならなくたって……》
《う、うん…… ごめん》
うんうん、良い感じ。 このまま フェイトが上手くまとめてくれそうだよ
《だけどさ……
フェイトは変わったよね》
安堵に気が緩んだんだと思う。 心の奥底にある想いが何にも遮られることなく流れていく
《変わった?》
《ああ、前は無理して……我慢してばっかでだったよ》
そうだよ…… そんな風に『我慢』ばかりの フェイトを見ているのはとても辛いことだったよ
《そうだったかなぁ……
我慢しなくなったって…… 私、我が儘になったのかな?》
《『我が儘』?
はは、そうだったかもね。 でも、以前みたいに無理矢理感情を押さえ込んでいた フェイトよりもずっといい。 アタシは今の フェイトの方が好きだよ》
《アルフ…… ありがとう》
念話で、そして主と使い魔との繋がりを通して、感謝の念が伝わる
嬉しくなる
フェイトが今の自分を気に入っていることが分かったのが何より嬉しい
ピンポーン
「あら、アリサちゃん、すずかちゃんが迎えに来てくれたみたいね
フェイトちゃん、ここは 私が仕切っとくから、あそこで黄昏てる なのはを連れて早く出迎えてあげて」
「は、はい!」
来客を伝えるベルが玄関から響く
その時間から、そして高町家におけるヒエラルキーの頂点。 真の主たる 桃子が言うならば間違いなく アリサ、すずかだ
アタシは、この後みんな一緒に はやて達を迎えに行ってから そのまま初詣に行く予定だったことを思い出す
……なのはの状況が面白すぎてすっかり忘れてたよ
《アルフ、行こう》
《あいよッ!!》
フェイトに威勢良く返事をする
どうか フェイトの、アタシの、こんな暖かい日常がいつまでも続きますように……
うん、決めた! それが初詣での アタシの願いで、叶えたいっていう誓いだ
ハッピーエンドは力尽くッ!!
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